2018-08-16

肺エコー 用語集


近年、注目を集めている肺エコー。当科でも使用しているのですが、今ひとつ用語が頭に定着しないので、個人的な備忘録を兼ねてまとめてみました。


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A-line:プローブと胸膜の間で反響したエコーが映し出された多重反射像。やせている患者では正常肺でも見られる。しかし気胸患者の場合、プローブと空気との反射が起こりより顕著に見られる。また肺気腫、喘息など過膨張となる疾患で描出されることがある。

B-line:臓側胸膜から縦に放射状に延びて深部まで届くアーチファクト。健常者でも1画面に1本程度は認めることがあり、3本以上あれば病的。肺実質に水分を多く含む肺水腫で見られる。
comet tail:胸膜ラインから内側に延びるアーチファクト。

lung slidingBモードで臓側胸膜が呼吸運動で動く様子。正常の場合に観察される。臓側胸膜の動きはcomet tailを目安にすると観察し易い。

seashore signlung slidingの様子をMモードで観察した際に、胸膜以下は粗い均一なノイズが入ったように見える。

lung pulse:心拍が胸膜に伝わり、心拍に同調して胸膜が小さく水平方向に振動している様子。正常の場合に観察される。lung slidingがあると分かりづらいため、呼吸を一時的に止めてもらうと見やすくなる。

pleural sign:胸膜から発生する3つのサイン(lung pulselung slidingB-line)をまとめてこう呼ぶ。pleural signがあれば気胸は否定的。

lung point:正常肺と気胸背の境目。気胸の範囲の推定に使える。

stratosphere sign (barcode sign)Mモードで見えるはずのseashore signが見えず、バーコード状の横線だけが見えること。気胸の存在を示唆。


参考文献:「こんなに役立つ肺エコー」メディカルビュー社