2014-08-10

西濃嚥下勉強会

8月7日に開催された、第1回 西濃嚥下勉強会の様子をお伝えします。

高齢者の肺炎といえば、誤嚥性肺炎。医療者であればどこかでかならず携わらなければならないということもあって、医師だけでなく、当地域の看護師、理学療法士、薬剤師さんなどの多職種が参加しました。なんと、200人を超える人々が集まったようです。

岐阜ALK肺癌セミナー2014

先日、8月6日に、岐阜の都ホテルにて、ALK肺癌セミナーが開催されました。

ALK肺癌については、昨年登場したCrizotinibがPROFILE 1014試験の結果を受け1st lineの位置づけを確立したことや、Alectinibの登場で、再び話題となっております。

当院では、昨年の5月よりALK遺伝子をFISH法で測定しておりますが、今のところ6例(4.6%)がALK陽性と判明しております。そのうち2例が腺癌ではなく、扁平上皮癌でした。

というわけで、当院からは、ALK陽性の扁平上皮癌にCrizotinibを使用し奏功した症例について一例報告を行いました。他の報告でもALK陽性となった扁平上皮癌は1.3%とされており、比較的まれなようです。

さらに、九州がんセンター 呼吸器腫瘍科の瀬戸貴司先生に特別講演として「ALK肺癌の治療戦略」としてお話しいただきました。今回、気になったことは、ALK阻害薬に対する耐性化の話題でした。

ALK肺癌の、ALK阻害剤に対する耐性化の機序は

①ALK遺伝子自体の耐性化(ゲートキーパー変異、遺伝子増幅)
②その他の遺伝子変異(側副経路の活性化;EGFRやKRAS)   が知られています。

①であれば、マルチキナーゼ阻害剤のCrizotinibよりも、選択的ALK阻害剤のAlectinibやCeritinibが有効です。
②であれば、たとえば、EGFRシグナル活性化が生じたならば、EGFR-TKIが有効かもしれません。また、EGFR以外の遺伝子検索を行うことで治療の選択肢が増える可能性があります。

選択的ALK阻害薬は、ALK遺伝子自体の耐性化には強いため、Crizotinib failure後の切り替えも有効とされています。しかし、②による耐性機序を生じやすい可能性も指摘されています。また、機序はよくわかっていませんが、逆に、AlectinibやCeritinibのfailure後にCrizotinibに変更したところCrizotinibが有効であった症例もあるようです。

ALK肺癌への薬剤の選択については、今後も議論されることと思います。肺癌の治療において、分子標的薬の治療の幅がどんどん広がりをみせており、今後も目が離せません。

2014-08-04

西濃喘息研究会

報告が遅れましたが、先日(7月30日)、西濃喘息研究会が大垣市内で開催されました。

前半は、古井医院 古井秀彦先生による、

「岐阜県における学校・保健所のアナフィラキシー対策」 について、活動報告がありました。

アナフィラキシー治療における、エピペンの迅速な使用の必要性については医療従事者の皆さんの良く知るところと思いますが、それでも、まだ一般の方の認知度はそれほど高くありません。特に、給食時の食物アレルギーの対応含め学校関係者の方には知っておいて欲しいということで、講習会を通じての啓蒙活動を行い、アナフィラキシー発症時に迅速な対応が出来た事例の報告もしていただけました。


後半は、静岡県立総合病院 呼吸器内科部長 白井敏博先生をお招きして、

「喘息診療における呼気NO測定の意義」 についての講演がありました。

好酸球性気道炎症のマーカーとしてのNO測定が保険収載となり、簡便な測定機器が登場したこともあり、NO測定は普及してきております。

そこで、喘息診断時のNO値の解釈や注意点および、外来フォローにおける、NOモニタリングの位置づけについてなど、示唆に富むお話しを伺うことが出来ました。また、多数の自験例のデータをもとに診療での活用の仕方を提示していただけたのも印象的でした。モニタリングとしての使用、重症喘息や、咳喘息での測定意義などまだまだデータが不足している部分もありますが、NOが今後の喘息診療の一助となることは間違いなさそうです。

2014-08-02

病院見学

夏休みシーズン突入ですね。
そこでさっそく、名古屋大学医学部の5年生の学生さんが、呼吸器内科に見学に来てくれました!

市中病院ならではの多彩な疾患に触れてもらい、
緊急の気管支鏡検査や救急症例など盛り沢山で大変な一日でしたが、
有意義で、かつ、大学病院でのポリクリとはまた一味違う実習になったのではないでしょうか。


呼吸器内科では、初期研修および後期研修希望者の見学を随時受け付けております。
詳しくは、大垣市民病院のホームページ、「医療関係者の方へ」の「採用情報」
http://www.ogaki-mh.jp/medical/
から、問い合わせ可能となっておりますので、お気軽にご連絡ください。