2015-12-29

たかが気胸、されど気胸 〜再膨張性肺水腫は防げるか?〜

ある再膨張性肺水腫の患者さんとの出会いから、今更ですが気胸のマネジメントについて、少し踏み込んでまとめて見ました。

Common diseaseでありながら、各施設により治療方針が異なることも多いですので、まずはガイドラインをざっと、おさらい ↓  

気胸のガイドライン

3つあります。

・ACCPによるガイドライン(Chest 2001)
・日本気胸・嚢胞性肺疾患学会によるガイドライン(2009年)
・BTSによるガイドライン(Thorax 2010)

面白いことに、各ガイドラインごとに重症度の評価基準が異なっています。

2015-12-28

呼吸器内視鏡学会地方会が開催されました

大概、常に忙しいのですが、特に春と秋〜冬にかけてのこの時期は、学会シーズンで忙しいです。さらに、予測不能なインターベンション症例が突然舞い込んで来たりするので、もう大変です。
そんな最中、当科にとって今年の締め括りとなる学会が12月5日に開催されました。 
そう、タイトル通り、呼吸器内視鏡学会 地方会。  

開会前。嵐の前の静けさ?
当院からの演題発表は、気管支鏡専用のNPPVマスクなんて高級なものがない時に、何で代用するかっていう、おばあちゃんの知恵袋的な、為になる症例報告を私から一題。

逆止弁ユニットをさらにTrilogyにつなぎました
そして、若手呼吸器内科医の登竜門? 
内視鏡所見から診断を当てるパネルディスカッション。
これには、うちの若手の先生がディスカッサントとして参加してくれました。
今回は、難問続きでしたが大健闘。

最後に。
当院主幹の会でもあり、会長 白木先生を囲んで、当科スタッフ、ミライの呼吸器内科医(後期研修医)、事務の方々で記念撮影。

私は一足先に病院に戻らなければならず
ここには写れませんでした…。



2015-12-16

ACOSを考える会

喘息とCOPD両方の特徴を持つグループをAsthma-COPD overlap syndrome、略してACOSと呼ぶのが今の流行になってきました。このACOS、実にいろいろな問題をはらんでいます。今日は、京都大学の佐藤晋先生をお招きして、ACOSを考える会を開催しました。


2015-12-13

第11回 東海RST協力会セミナー

忘年会から一夜明けての12月12日に、名古屋で東海RSTのセミナーが開催されました。
昨年に引き続き、当院からもRSTメンバーで参加してきました。嬉しいことにICUや呼吸器病棟の看護師さんも参加してくれてたみたいですね。

2015-12-01

レジオネラ肺炎(尿中抗原編)

改めて技師さんの存在ってありがたいな〜と思った症例がありましたので報告です。

意識障害と肝酵素上昇、低Na血症。そんなレジオネラ肺炎も疑わなければならないシチュエーションでレジオネラの尿中抗原を提出しました。

すると細菌検査室からの連絡で「先生、ものすごーく薄いんですけど、心の目で見ると陽性かな?って…。どう思われます?」

2015-11-27

日本薬剤師学会 in 鹿児島

11月22-23日に日本薬剤師学会が鹿児島市で開催されました。その中で今回は学会初の試みとして、吸入指導ワークショップが企画されました。ここに「吸入療法のステップアップをめざす会」の一員として、アドバイザー参加してきましたので報告します。


2015-11-23

呼吸器学会 地方会が行われました

続きまして、かなりタイトなスケジュールですが、
11月14-15日にかけて、呼吸器学会 東海地方会が行われました。


当院からは、全部で5演題の発表&ディスカッサントとしての参加をしました。

2015-11-18

バーベキュー大会 2015

今年もやりました、秋の恒例行事!
呼吸器内科といえば、バーベキュー。
バーベキューといえば、呼吸器内科。
 
ということで、報告が遅れましたが…
9月某日、垂井町の河川敷。
清々しい陽気の中、昨年と同様多数の方々に参加頂きました。
 

2015-11-15

第23回 呼吸器科医養成塾

久々の投稿です。

今回は、11月12日に名古屋で開催されました呼吸器科医養成塾について紹介させていただきます。この勉強会は、名古屋大学呼吸器内科の大学院の先生方が中心になって年2回企画・開催している勉強会です。

今回の演者は、当院の白木先生。
テーマは「膠原病と間質性肺炎」。

2015-10-18

第25回 呼吸ケア・リハビリテーション学会 in 舞浜

10月15日-16日にかけて、呼吸ケアリハ学会が開催されました。

開催地は、なんと、夢の国、ディズニーリゾート!
…はやる気持ちを抑えつつ、キチンと発表もしてきました。


RSTメンバーを中心に、急性期の呼吸管理にRSTや呼吸リハが介入することによる効果、MEの関わり、ネーザルハイフローの使用実態やIP急性増悪への使用の報告など、全部で11演題。総勢18名が参加しました。

2015-10-04

聴診勉強会(ナース編)

聴診マシンを用いた勉強会を昨年からちょこちょこさせて頂いております。

先月は、呼吸器病棟の看護師さん向けに行いました。

前半 講義形式 20分
後半 実践形式 30分

で、いわゆるcoarse crackle, fine crackle, wheeze, rhonchiを聴き分けることが可能になります。
(おそらく...汗) 

そして、一応、緊急性が高いstriderも覚えておきましょう(聴診器なくても分かるけど)、呼吸音が聴こえないこともあるけど、「聴こえない」っていう事実も大切だよ(無気肺とか)ってな内容を一通り勉強して頂きました。

みんな真剣そのものです…

ただし、一番大事なことは、この音は何か、を言い当てることではなくて、そこから何が起きてるかを推測することが大事なんだと思います。
 
さらに、もっと言えば、何が起きてるかを理解するためには、いきなり音を聴くのではなくて、患者さんの表情や、呼吸様式を見ること、そして、胸に手をあてて、吸気努力を感じ取ることも大事なんですよね。

2015-09-27

乳び胸 まとめ

乳び胸(Chylothorax)について、少し調べる機会があったので、まとめてみました。

まず診断は、白濁した胸水を見たら、胸水中のTGを測定してみることから、始まります。
乳白色、というよりは、黄白色のことが多い印象です。乳び胸の定義は、TG>110mg/dlもしくは、TG 50-110mg/dlでかつカイロミクロンが検出されること、とされます。ちなみに、同じく白濁した胸水で、偽乳び胸(乳び状浸出液)というのもあって、こちらは、TGでなく、T-Cholが上昇(>200mg/dlで、1000mg/dlを超えることも)します。胸膜炎が慢性化することで生じるようです。

2015-09-05

全肺洗浄を行いました

肺胞蛋白症というと、その特徴的な画像所見や臨床的特徴(いわゆるcrazy-paving patternや米のとぎ汁様の白濁したBALF)のおかげで、有名な疾患ですが、有病率は 100万人に6人とされており、非常に稀と考えられています。

 軽症例は、健診で指摘されることもあります。30%程度が無症状とも言われています。重症度Ⅲ-Ⅴに該当する症例で全肺洗浄が必要になると言われており、海外の文献では診断から全肺洗浄に至るまでの期間の中央値は2ヶ月。12ヶ月以内に79%の症例が全肺洗浄を施行した、とあります(Am J Respir Crit Care Med. 2002;166(2):215-35)。一方、本邦でのアンケート調査では自己免疫性肺胞蛋白症 352(71施設)のうち、80症例(34施設)で全肺洗浄を施行、診断から洗浄までの期間の平均は21.3±24.3ヶ月のようです。当施設でも、ずいぶん昔に肺胞洗浄の経験はあったようですが、残念ながら当時のプロトコールは残っておりませんでした。

 今回、新たに全肺洗浄を必要とする患者さんがおられたため、麻酔科の先生方や理学療法士さんの協力を頂きながら、一からプロトコールを作ることとなりました。

 また、当日はアドバイザーとして、新潟大学 医歯学総合病院 魚沼地域医療教育センター 特任准教授の赤坂圭一先生にお越し頂いて、直接ご指導いただきました。(本当にありがとうございました!)

回は初回ということで左側を洗浄。合計15L2時間程かけて無事、処置を終えることが出来ました。(回収率98%と非常によい結果となりました)


洗浄後の廃液ボトルです。少し沈殿してわかりにくいですが、
教科書で見るようなグラデーションになりました。

2015-08-23

悪性腫瘍と高Ca血症

今週末は、上司が佐賀に旅行、...いや、失礼しました、出張(呼吸器内視鏡インターベンションセミナー)に行っており、うらやましい限りです。
 
このセミナー(http://www.jsre.org/gakujutu/inter2.html)、過去の開催地を見ると、毎回温泉旅館で開催されているようで、今回のテーマは、『茶心の宿にてpulmonary Intervention Techniqueについて語り合う』ですので、昨夜は大いに語り合われたことでしょう。
 
それはそれとして、久々に、ブログを更新することにしました。

最近、肺癌の患者さんにオピオイドを開始して、吐き気や便秘が出現。てっきりオピオイドの副作用だと思っていたら実は高Ca血症も隠れていた…ということがありまして。足元をすくわれることがあるので、悪性腫瘍の患者さんをみるときは、高Ca血症を常に頭の片隅に入れておくことが大事ですね。ちょこっと知識の整理です。
 

2015-08-08

抗酸菌の血液培養



抗酸菌の血液培養というと、HIV患者における播種性MAC症が有名ですが、当然のことながら、血行性感染である粟粒結核診断の際にも活躍します。当院でも最近、粟粒結核を経験したので、血液培養について紹介します。

2015-07-29

ビフォーアフター

先日、ブログ内でお伝えしましたが、気管支鏡室がリニューアルオープンしました。
明日から、いよいよ通常通り検査が再開。

参考までに、リニューアル前の写真も再掲載してみました↓
部屋の明るさが違いますね。
今から検査が楽しみです。

After

Before

2015-07-26

身体診察の一つとして肺にエコーをあてる

今、じわじわと広まりつつある、肺エコー。

救急や集中治療を専門にしておられる先生方には、メジャーなのかもしれませんが、我々内科医にとっては、エコーはあくまで胸水をみるためのものであって、実質評価に使うなんてこと滅多になく、興味はありましたが、なかなか触れる機会ないままでした。

そんな中。

先日、京都で開催された呼吸療法医学会で、肺エコーを勉強してきました。
(参考:USabcd website → http://usabcd.org)

呼吸不全患者に対するアプローチについては、LichtensteinらがBLUE protocol(CHEST 2008;134:117-125)を提唱し、論文中に、心不全、COPD/喘息、肺血栓塞栓症、気胸、肺炎のエコー所見と、それぞれの感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率が示されています。


2015-07-17

進化する超音波

肺エコーの勉強をしていたらこんなものに出逢いました。

タブレット型USマシン。プローベがUSBとして接続できるようです。
かなり欲しい!

しかし、残念ながら日本では未発売。これから予定されるみたいです。
お値段が気になりますが・・・。

http://www.healthcare.philips.com/main/products/ultrasound/systems/visiq/


PILIPS VISIQ ultrasound


 

サヨナラ ブラウン管

今日は、ちょっとしたイベントの日。
長年愛され続けた気管支鏡室(通称 地下30番)の解体作業+お引越しなのです。

正直この病院に赴任した時には、え?今時こんな…って思いましたけど、
今思うと、ブラウン管テレビのモニター、いい味だしてましたね。


2015-07-12

東海呼吸ケア・リハビリテーション研究会

ここ一番の暑さとなった週末ですが、
7月11日に、東海呼吸ケア・リハビリテーション研究会が名古屋で開催されました。
当院の慢性呼吸器疾患看護 認定看護師 斎藤さんが、RST立上げと現状について、語ってくれました。ICUの看護師さんたちも応援に来てくれていましたね。
会場は、満員。大盛況でした!

2015-07-11

神戸市立医療センター中央市民病院に行ってきました


今回、NPPV管理について学ぶために、病棟看護師と伴に、神戸市立医療センター中央市民病院に行ってまいりました。

病院見学というと、何年ぶりかになりますが、やはり、新鮮な気持ちになりますね。
今回は、呼吸器内科の医師だけでなく、慢性呼吸器疾患の認定看護師さんやMEさんにも
お話を伺うことが出来ました。

2015-07-10

オペ室にて


ゼロから何かを立ち上げることの大変さを痛感。

試行錯誤は時に必要なのですが、試行錯誤だけではダメなのも事実。

侵襲的な治療だけに、判断力、マネジメント能力が常に試されます。

自分の実力不足を感じつつ、周りのスタッフに助けられる毎日です。

全肺洗浄の一コマ

2015-07-03

揖斐地区で吸入指導勉強会を開催しました

西濃地域では西濃医学会と西濃喘息対策協議会が主催する吸入指導勉強会を定期的に開催しています。今回は、3年ぶりに揖斐地区での開催となりました。


2015-06-20

COPDと栄養療法

6月は学会シーズンですね。
呼吸器内視鏡学会、緩和医療学会などが各地で開催される中、6月13-14日にかけて、名古屋では呼吸器学会 東海地方会が行われました。
初日のイブニングセミナーでは、当院 安藤部長による『COPDの栄養療法』についての教育講演がありました。

2015-06-13

第14回 西濃COPDフォーラム

西濃地区は、喘息で有名のようですが、COPDについても頑張って取り組んでいます。

6月11日に行われたCOPDフォーラムで、そんな我々の取り組みの一部を紹介させていただきました。この地域でのCOPD特定検診の成果について。そして、COPD増悪で入院した患者さんへの呼吸リハビリの具体的な介入方法について報告しました。



2015-06-01

第80回 東海びまん性肺疾患研究会

5月30日、東海びまん性肺疾患研究会に参加して来ました。VATS症例を全部で8例検討します。当院からは、臨床的にCHPが疑われたIPFと、Smoking related IP(DIP)の2症例提示しました。



                             

2015-05-27

第64回 アレルギー学会に行ってきました

5月26-28日にかけて、アレルギー学会総会が東京にて開かれております。

今回は、主に、喘息のphenotypeと喘息+COPDのoverlap(いわゆるACOS)について、拝聴してきました。そして、私自身も今回、ACOSについての発表をさせてもらいました。


2015-05-26

喘息教室 開催

5月22日 金 15:00-16:30 (大垣市民病院 管理棟5F 講堂にて)

当院では、患者さん向けの勉強会として、喘息教室を定期開催しています。
今回で、20回目となりました。
当院かかりつけでない方も自由に参加して頂けます。
患者さんだけでなく、患者さんの家族で病気のことを勉強しに来た熱心な方もおられました。
  
講義がこれから始まるところ。皆さんまだ、緊張気味のようです...

2015-05-23

Happy Birthday to …

5月某日 大垣某所

この日は名古屋大学の学生さんが病院見学に来てくれて、一緒に夕ご飯行く?的なノリで発案された飲み会でしたが、実は、もう一つの意図がありまして。

当院呼吸器内科、進藤部長、安藤部長、がともに5月生まれ!
(なぜかスタッフ全員の誕生日を把握してます…)

ということで、若手でちょっとしたサプライズを計画。

こっそり、誕生日 ケーキを用意させていいただきました。

ロウソク何本さしたらいいかわからず、とりあえず10本で 笑

2015-05-16

第25回 呼吸器リハビリテーション症例検討会

ここ1週間は、ケアリハ学会の演題登録に泣いたり笑ったりの毎日ですが、5月15日は、例によって大阪の会、すなわち、天むすの会に参加してきました。

前半は症例提示。リモデリングが進んでしまった喘息患者へのリハビリ介入例。始めは、喘息にリハビリ?と思って聞いていましたが。確かに、安定期でもFEV1低値の高齢喘息患者さんは沢山おられますので、そういう意味では興味深かったです。しかし、入院中の急性期はともかくとして、慢性期の経過をもう少し知りたいところではありました…。

後半は畿央大学のPT田平先生の講義で、クリニカルリーズニングについてでした。
クリニカルリーズニングは、訳すと、臨床推論。PT、OTの領域でも講義の一環として取り上げられることが多いようです。

今回は、結核後遺症のⅡ型呼吸不全の患者さんを例において、PTが受け持つ際に、身体所見、検査所見のどの部分に着目して病態把握を行い、介入していくのかという思考過程を紹介してくださいました。我々臨床家も、日常的にやっていることですが、意外と目の前で起こった現象を一つ一つ言語化しようとすると曖昧な部分が多いことに気づかされます。ともすると経験則に頼りがちとなってしまう日常臨床。自分の思考過程が客観的に正しいか判断し、軌道修正するためにも、皆とのディスカッションは必要ですよね。医療はチームで行うものですから。

ということで、会に参加した証拠写真を撮り忘れたので、終了後の世話人会の風景を遠景から↓  手前には551の豚まんの袋…。


2015-05-05

Rituximab

こんにちは。GWもそろそろ終わりに近づいてきました。
皆さんいかがお過ごしでしょうか?

4月末の出来事になりますが、Royal Brompton HospitalのElizabeth Renzoni先生の講演に参加してきましたので、少し紹介したいと思います。Royal Bromptonといえば、London。Londonと言えば、Abbey Road!ということで、個人的にはとても親近感が沸くのですが、それはそれとして、Renzoni先生を迎えての今回のテーマは、CTD-ILDのトピックス。

SScの話が中心でしたが、そんな中でも、今回、注目を集めたのはRituximabの話でした。ご存知のように、Rituximabは、抗CD20モノクローナル抗体で、2001年より悪性リンパ腫の治療薬として承認され広く使用されていますが、ANCA関連血管炎に対しても2013年より承認され、活動性の高い難治例に対して使用されるようになりました。さらには、SLEやRA, SScなどにも、有効性が示されてきており、適応はどんどん拡大しそうです。今回は、非IPF ILD(CTD-ILD)患者におけるRituximabの効果や(ERJ 2012 Sep;40(3);641-8, Respirology. 2014 Apr;19(3):353-9)、CPAとの比較試験についても触れていただきました。


2015-04-26

呼吸器学会総会に参加してきました

2015年4月17~19日に、東京国際フォーラムで日本呼吸器学会学術講演会が開催されました。当院からは5演題発表がありました。

2015-04-18

AIRVO2

世の中は呼吸器学会(総会)ということで皆様浮足立っているようですが、私は一人お留守番中ということで、久々にブログを更新することとしました。

さっそくですが、ネーザルハイフローの新機種AIRVO2が仲間入りしたので紹介します。



ネーザルハイフロー(ハイフローセラピー)は、専用のデバイスを使用することで、経鼻より30L/min以上の加温加湿された酸素を流すことの出来るシステムで、その利便性、低侵襲さからも、近年急速に広まりつつある酸素療法です。




Fisher&Pykel

2015-04-04

奥深き「カビ」の世界

4月3日、千葉大学 真菌医学研究センターの亀井克彦先生の講演を聴講させていただく機会があったので少し掘り下げて報告します。

テーマは、「真菌症診療の現状と問題点」。 まさにup-to-date!
...そしてdeepな内容でした。

我々、呼吸器内科医とカビとは切っても切り離せない関係。
慢性呼吸器疾患の合併症としてよく問題となるのがアスペルギルス症です。
しかし、なかなか治らないんですね、これが。
しかも、その症例数が増えているというからさらに頭痛いところです。

で、まずは、診断。ちゃんとできてますか?ということ。

一口にアスペルギルス属といっても、様々な種類がありますが、まず有名なのがAspergillus fumigatus。その他に、Aspergillus flavusAspergillus terreusAspergillus nidulansAspergillus nigar等が知られています。我々が日常臨床で出会う原因菌の大半がAspergillus fumigatusですが、最近は、Aspergillus fumigatusの隠蔽菌というのがhot topicsのようです。隠蔽菌というのは、一見Aspergillus fumigatusのように見えるけど、実は別の菌、という意味です。Aspergillus lentulusというようで数%いるようです。厄介なことに、このAspergillus lentulusは、多くの抗真菌薬に耐性を有しているようです。しかし、市中病院の細菌室でAspergillus lentulusを同定することは難しく専門機関に検体を送らなければ分からないということでした。

しかも、Aspergillusにおいても複数同時感染や、治療中に菌が入れ替わってしまう可能性もあるということなので、薬剤が無効な時に再度検体を確認する必要がありそうです。

2015-04-01

送別会

送別会がひとしきり済んで、4月より新たな赴任先へ異動となった先生方も多いと思われます。

当科でも、5年目の狩野先生が4月より帰局のため母校の岡山大学へ戻られるということで3月末に送別会を開きましたので報告します。某結婚式場での開催で、病棟師長とバージンロードを歩いての登場(笑)。サプライズのムービーもあり、涙あり、笑いありの会となりました。
 
研修医たちと共に  白衣のプレゼント

大垣 呼吸器 OBの先生方も駆けつけて下さいました
当科スタッフからは、SpO2モニターをプレゼント(よく見ると左手にはめてくれてます)
全部で77名の集合写真

2015-03-22

第1回 大垣 人工呼吸器シミュレーショントレーニング開催

3月21日(土)、当院にて人工呼吸器シミュレーショントレーニングが開催されました。
記念すべき第1回、大垣RSTによる開催でした。
 
シナリオ中。緊迫した雰囲気です。


安藤先生による講評

RSTメンバー&受講生で記念撮影

2015-03-15

桜が咲きました

どこよりも早い開花です。
七分咲きくらいでしょうか。

 
つい数日前まで、蕾だったのですが…。
呼吸器病棟の癒しになってます。
差し入れて下さった方、ありがとうございます。

2015-03-12

人工呼吸器シミュレーション院内開催に向けて


3月7日 名古屋某所で開催された東海RST主催のシミュレーショントレーニングにて
I看護師、真剣に聴診中…

当院のRSTが立ち上りそろそろ1年を迎えようとしています。RSTの活動のメインは人工呼吸器離脱に向けてのラウンドですが、その他、院内教育の一環で、この1年間のうちに、計7回の勉強会を開催してきました。その集大成として、来る3月21日に、人工呼吸器シミュレーショントレーニングを開催することとなりました。これは、人工呼吸器装着患者のトラブルシューティングで、要は、ACLSの人工呼吸器バージョンのようなもの。実際にありがちなトラブルシナリオを、チームで解決に導きます。

2015-03-05

NPPVスモールミーティング

3月4日、岐阜の長良医療センターにてNPPVスモールミーティングと題した研究会が開催されました。

これまでは症例発表形式で行っていたのですが、今回は、神戸市医療センター中央市民病院 呼吸器内科の永田一真先生を迎えて「慢性呼吸不全に対するNPPV」について講演いただきました。high intensity NPPVの話から、iVAPSの使用方法まで明日からの臨床に役立つ実践的なお話でした。


研究会終了後の、食事会では、ちょこっとお酒も入り、日常臨床のことや、臨床研究の構想についてなどざっくばらんなトークとなりました。永田先生は、同じ年次とは思えない落ち着いた雰囲気の素敵な先生でした。一症例ごとに呼吸不全の患者さんを丁寧に、真摯に向き合って診ておられるからこそ生まれる臨床データの数々だと思います。きっと、これからの呼吸管理の分野をリードしてくださることでしょう。

2015-03-02

レジオネラ肺炎?

2月21日、肺学会の中部支部会が岐阜にて開催されました。
静岡がんセンターの先生の講演もあったようですが、
私自身は、仕事で参加出来ず残念。

当院からも、後期レジデントの先生に症例発表してもらいました。
重症患者さんの緊急対応等に追われる中での発表準備で大変だったと思います。
発表を終え、ひと息つく間もなく、早速、病棟に戻りまた仕事。
本当に頭が下がります。お疲れさまでした!

ところで、レジデントの先生が担当していたその重症患者さんは、というと、
いつもの市中肺炎…と思ったら、初期治療(βラクタム系抗菌薬)が無効で肺炎像がどんどん悪化…。
これってレジオネラ??

...結局、確定診断は得られなかったものの、キノロン追加で良くなったわけですが。

確かに、こういうシチュエーションって日常臨床では遭遇すると思うんですよね。ということで、これを機に、レジオネラをいつ疑って、いつどのようにカバーすべきか、について少しまとめてみました。

2015-02-23

名古屋吸入指導講習会を開催しました

喘息、COPDに対する吸入指導は力を入れている分野です。ちょっと前に若手呼吸器内科医(当院のではありません、念のため)と話した時に、「喘息はマスターした」と言い放ったのでびっくりしました。処方すれば終わりと思ってるあなた、そんなもんじゃありません。確かに抗癌剤みたいに点滴すれば薬剤は入りますけどね。前置きが長くなりましたが、西濃地区を飛び出して名古屋で吸入指導講習会を開催してきました。

2015-02-08

第24回 呼吸リハビリテーション症例検討会

1月30日。この日は仕事を夕方に切り上げて、大阪某所にて開催される呼吸リハビリテーション症例検討会に参加してきました                               

                                  

2015-02-04

明日からできる吸入指導

吸入指導は、当ブログでも何度か話題に挙がったことのあるテーマですね。
気管支喘息やCOPDの診療において欠かすことのできないものですが、その決定版ともいえる本がつい先日、販売されたのでご紹介します。


新しいデバイスまで幅広く網羅されています。指導方法のみならず、吸入療法そのものの位置づけや必要性を理解いただくことのできる内容になっています。
当院からは、白木先生が執筆されました。ぜひ手にとってみてください。

2015-01-31

病院実習お疲れさまでした

今月に入ってちょうど1か月間、岐阜大学医学部5年生の学生さんが当科に実習に来てくれました。

病棟にて読影中…

2015-01-26

Nagoya ILD ForumでCase reportしてきました

 名古屋ILDフォーラムという研究会でケースレポートしてきました。陶生病院、名古屋大学、浜松医科大学と、びまん性肺疾患では実績のある施設と一緒に発表させていただけました。ケースレポートにつけ加えて、当科でのびまん性肺疾患に対するステロイド+免疫抑制剤治療について副作用の面から振り返りも行いました。

2015-01-17

第79回 東海びまん性肺疾患研究会

遅ればせながら、あけましておめでとうございます(もう1月17日ですが)。
最近は、なかなか記事をアップ出来ずにいました。
呼吸器疾患は、冬場に悪化するのもの。ということで、IPの増悪や、緊急何やら…が続いたりといつもに増して忙しい日々が続いていました。

ところで、今日は、東海びまん研があり、名古屋に行って参りました。

今回話題に挙がっていた内容としては、