2015-01-17

第79回 東海びまん性肺疾患研究会

遅ればせながら、あけましておめでとうございます(もう1月17日ですが)。
最近は、なかなか記事をアップ出来ずにいました。
呼吸器疾患は、冬場に悪化するのもの。ということで、IPの増悪や、緊急何やら…が続いたりといつもに増して忙しい日々が続いていました。

ところで、今日は、東海びまん研があり、名古屋に行って参りました。

今回話題に挙がっていた内容としては、


画像上NSIPと思われるInconsistent UIP 症例の中にもIPFが存在するが、そういった症例に対してステロイド+免疫抑制剤の治療はむしろ害をなすので、VATSが出来ないシチュエーションなら、ピルフェニドンが1st lineでよいのではないか、というclinical question。

確かに、とは思うのですが、実臨床では、NSIPでステロイド+免疫抑制剤に反応する例が一定数あるだけに、ピルフェニドン 1st は難しいんじゃないかなって思います。しかも、それって即ち、NSIP(あるいは、UIP以外の組織パターンを呈するIIPsも含めて)にピルフェニドンが有効なの?っていう話にもなりますよね。実際、そんなStudyは存在しないわけで。個人的には、線維化の起こるメカニズムは根本的には同じで、その表現形が異なるだけと思うので、TGF-βなりPDGFを抑えることで有効かもしれないとは思うのですが。

もう一つは、上葉PPFE+下葉UIP となる例について。これは、9月のびまん研でも話題になってましたが。予後悪いパターンのやつです。Hansell先生も12例のPPFEにおいて、下葉病変の存在を指摘していて、CHP1例、UIP3例認めたと報告されてましたし(ERJ 2012;40:377-385)。 提示されていた症例は残念ながら、VATS後急性増悪を起こしていました。PPFEはapical capと組織所見自体は変わらないというのも興味深かったです。あるものは進行してPPFEに、あるものは長期的に不変。進行するものとそうでないものの違いは何か。福岡先生が組織所見からのspeculationを述べておられました。
一口にPPFEといっても、かなり幅のある疾患単位なのでこれからの症例集積が必要と思われます。

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