2016-12-31

ペムブロリズマブ承認

今年最後のブログ更新となります。
肺癌の話題にはことかかない一年でありました。
特に、この秋冬は、コペンハーゲンのESMO、次いでウイーンのWCLC、そして博多で肺癌学会と、世界各地で盛り上がりました。

この分野の話題は、免疫療法とEGFR-TKIの一色でした。
(世間では、新薬高騰の話題一色であったとも言えます)
肺癌学会開催中の12月19日にペムブロリズマブが保険承認されたというタイムリーなニュースもありましたね。臨床の現場で使用出来るようになるにはもう少し先ですが、なんと先日発刊された肺癌診療ガイドライン2016には、ちゃっかり記載されていました。

2016-12-19

大阪びまん肺フォーラムと若手のためのびまん肺

めっきり寒くなって、もう師走ですね~。今年も残すところあとわずか。この時期に毎年開催されているのが、大阪びまん性肺疾患フォーラムです。今年は、この世界の大御所中の大御所、Mayo ClinicのThomas Colby先生を迎えて、「やっぱりUIP」のタイトルで開催されました。また、その翌日に、3年前から開催されている若手のためのびまん性肺勉強会も開催され、症例検討会の座長もしてきました。

2016-12-04

一歩先のCOPDケア

少し固い内容が続いたので、看護師さんつながりで、本の紹介です。














今年10月に発売された「一歩先のCOPDケア」。ケアリハ学会の書籍販売コーナーでも大きく取り上げられていました。

ここにも、NPPVにおけるナースのサポートの仕方が書かれていますね。患者さんのやる気を引き出すコツ(褒め方)、とっても参考になります。

また、増悪入院、そして日常へと戻っていく患者さんのライフサイクルにおいて看護師としてどう寄り添い、何が出来るかを教えてくれる一冊です。

実は、当院のRSTもラウンドの中継形式で登場しています。

一歩も二歩も先に進みたい方、ぜひ手に取って見てみてください。

NPPV管理のポイント~MDRPUと精神的ケア~

12月3日に名古屋 ミッドランドスクエアで急性期NPPV研究会が開催されました。

当院からは慢性呼吸器疾患認定看護師の斉藤さんに看護師の立場から、他職種へ伝えたいメッセージとして、NPPV管理のポイントを2点 発表してもらいました。発表内容に加えて、同じRSTのメンバーとして私なりのコメントを交えつつ紹介したいと思います。

1つは、MDRPUについて。医療関連機器圧迫創傷のことですね。

一般病院では、ギプス シーネ、弾性ストッキング、気管内チューブについで第4位だそうです。
当院のNPPV装着期間は平均6日程度なので全員に必要という訳ではなさそうですが、褥瘡の出来やすいリスクを評価し、必要とあらば早めに使用した方が良さそうですね。当院では、被覆材はメピレックス トランスファー(メンリッケヘルスケア社)を使用しています。本来はジクジクした創部に使用し浸出液の管理をし易くするのが目的の製品ですが、ソフトシリコン素材で、柔らかく、しかも薄くて凹凸のある部分にも馴染み易く、繰り返し使用出来るため、重宝しております。 

しかし、被覆材だけでなく、サイズや用途に応じたマスク選びも大切です。そのためには、複数種類のマスクを用意しておく必要があります。そこで、今回紹介したいのが、2016年3月から 登場したアマラビューマスク(Philips社)です。当院では最近、頻繁に使用しています。フルフェイスマスクですが、額のアームがなく
「ビュー」という名の通り視界を遮らないし(マスクをつけたまま眼鏡もかけれますので視力の悪い患者さんのせん妄防止につながるのではないかと密かに期待しています)、 シリコンですが、鼻梁に当たらないので鼻根・鼻梁に褥瘡も出来ません。当院ではもともと、シリコン素材の従来型のフルフェイスマスクで装着開始してフィッティングが悪い、あるいは発赤が出来るようであれば、ジェル素材に変更していたのですが、もしかしたら、アマラビューさえあれば、これが第一選択でもいいのではないか思ってしまうほどです。ただしこれまでのマスクよりも値段が張るので使用順序についてはもう少し検討が必要と考えています。

メピレックス トランスファー                                       アマラビュー フルフェイスマスク