12月3日に名古屋 ミッドランドスクエアで急性期NPPV研究会が開催されました。
当院からは慢性呼吸器疾患認定看護師の斉藤さんに看護師の立場から、他職種へ伝えたいメッセージとして、NPPV管理のポイントを2点 発表してもらいました。発表内容に加えて、同じRSTのメンバーとして私なりのコメントを交えつつ紹介したいと思います。
1つは、MDRPUについて。医療関連機器圧迫創傷のことですね。
一般病院では、ギプス シーネ、弾性ストッキング、気管内チューブについで第4位だそうです。
当院のNPPV装着期間は平均6日程度なので全員に必要という訳ではなさそうですが、褥瘡の出来やすいリスクを評価し、必要とあらば早めに使用した方が良さそうですね。当院では、被覆材はメピレックス トランスファー(メンリッケヘルスケア社)を使用しています。本来はジクジクした創部に使用し浸出液の管理をし易くするのが目的の製品ですが、ソフトシリコン素材で、柔らかく、しかも薄くて凹凸のある部分にも馴染み易く、繰り返し使用出来るため、重宝しております。
しかし、被覆材だけでなく、サイズや用途に応じたマスク選びも大切です。そのためには、複数種類のマスクを用意しておく必要があります。そこで、今回紹介したいのが、2016年3月から 登場したアマラビューマスク(Philips社)です。当院では最近、頻繁に使用しています。フルフェイスマスクですが、額のアームがなく
「ビュー」という名の通り視界を遮らないし(マスクをつけたまま眼鏡もかけれますので視力の悪い患者さんのせん妄防止につながるのではないかと密かに期待しています)、 シリコンですが、鼻梁に当たらないので鼻根・鼻梁に褥瘡も出来ません。当院ではもともと、シリコン素材の従来型のフルフェイスマスクで装着開始してフィッティングが悪い、あるいは発赤が出来るようであれば、ジェル素材に変更していたのですが、もしかしたら、アマラビューさえあれば、これが第一選択でもいいのではないか思ってしまうほどです。ただしこれまでのマスクよりも値段が張るので使用順序についてはもう少し検討が必要と考えています。
もう1つは、NPPV患者の精神的ケアについて。
マスクフィッティングの技術は上がってきているけれど、精神的なケアは出来ていますか?という観点での話でした。
NPPVの利点は、患者さんとコミュニケーションを取りながら人工呼吸管理が出来ることです。
しかし、意識下での呼吸管理は、ともするとせん妄に繋がりかねません。看護師はもちろんのこと、例えばMEやPTだって不安を和らげる声かけが出来ますので、他職種で様々な角度から介入をすることが大切なのだと思います。
また、医師についても、おそらく、呼吸器内科や循環器、救急医などNPPVの使用に慣れている科のDrは装着時に十分説明をしていると信じていますが、最初が肝心なので、時間を割いて、マスクに慣れてもらう必要がありますよね。CO2ナルコーシスの場合は、どちらかというと覚醒してきたタイミングで説明が必要ですね。
当院のデータでは、3割弱くらいにせん妄が生じ、鎮静剤を使用していますので、まだまだ課題の残された領域だと思います。
当院のデータでは、3割弱くらいにせん妄が生じ、鎮静剤を使用していますので、まだまだ課題の残された領域だと思います。
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