2015-12-01

レジオネラ肺炎(尿中抗原編)

改めて技師さんの存在ってありがたいな〜と思った症例がありましたので報告です。

意識障害と肝酵素上昇、低Na血症。そんなレジオネラ肺炎も疑わなければならないシチュエーションでレジオネラの尿中抗原を提出しました。

すると細菌検査室からの連絡で「先生、ものすごーく薄いんですけど、心の目で見ると陽性かな?って…。どう思われます?」



って、そもそも、偽陰性はあるにしても、偽陽性は、ほぼほぼないもの。
文献によっては特異度100%なんて書いてある。さすがに100%ってことはないにしても、ここ1ヶ月以内の既往があるか、再燃と相場は決まっているので、ってことは、陽性なんでしょ?  でもこれ↓なんですよね。心の目で見ても、私には陽性に見えない。うーん。


しかしながら、技師さんの言葉を信じて、再度検体を取り直し再検査してみました。

しばらくして…「先生、やっぱり、陽性です!」



確かに、さっきよりは、ラインが濃くみえているような…。

用心深い技師さんは、たまたまあったサンプルを用いて他のキットでも「陽性」を確認してくれてました。これだけしっかり確認すれば間違いないでしょう。

レジオネラの抗原キットは全部で4種類あるみたいですが、一般的に広く用いられているのが、BinaxNOWで、最近では、イムノキャッチという検査キットが検出感度も良くて良好な成績なようです。確かに、右上のがイムノキャッチで、一番テストラインがくっきりみえてますね。

しかしながら、1度目の検体でははっきり見えず、2度目の検体で陽性となった理由はよく分かりません。時間経過の問題や尿の濃さの問題でしょうか…。

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