喘息とCOPD両方の特徴を持つグループをAsthma-COPD overlap syndrome、略してACOSと呼ぶのが今の流行になってきました。このACOS、実にいろいろな問題をはらんでいます。今日は、京都大学の佐藤晋先生をお招きして、ACOSを考える会を開催しました。
ACOSは概念だけ先に提出されたもので、この考え方がメリットがあるのものかどうか、実はまだ不明なのです。患者さんたちはもともといたので、何も新しい疾患が突然出現したわけでもありません。しかし、この考え方は実に多くのバリエーションを含んでいて、「あなたのACOSと私のACOSは違う」という事態が生じます。
今回は、私が喘息からみたACOS、そして佐藤先生にCOPDからみたACOSで講演していただき、最後に症例を2例、どのように診断し、どのようにマネージメントしていくのか、議論しました。佐藤先生のご講演やお考えは、喘息やの私にはとても新鮮で、考えさせられるものでした。また当科の安藤先生からもご意見いただきましたが、同じ部署で働きながら、このようなディスカッションをしたことがないのは、何か不思議な気持ちでした。
IPAFもそうですが、新しい概念が提案された場合、その背景を知り、それがどのように活用されることができるのか、それが導くものが実臨床においてメリットがあるのか、そう考えながら仕事をすることも若手にとって必要なことです。一味違った講演会を企画できたのではないかと、ちょっと満足な夜でした。
白木先生、ありがとうございました。
返信削除大変勉強になりました。喘息やCOPDの治療に関して(特に外来患者さんについては)カンファでも相談する機会があまりなかったので新鮮でした。