2014-10-12

岐阜呼吸器疾患研究会


2014年10月11日、岐阜呼吸器疾患研究会に参加してきました。
rare caseやcommon diseaseの非典型例を集めた症例検討形式の勉強会で、私自身は2年ぶり2度目の参加となりました。 今回は教育的な症例が多かったように思います。



中でも、胸痛を主訴として外来受診した肺塞栓・肺梗塞は教訓的な症例でした。
突然発症でもなく、低酸素血症もない、既往もない症例で、画像上、区域性のすりガラス~浸潤影を呈し一見、通常の市中肺炎にも見えるため、どのタイミングで肺塞栓を疑うかがポイントだと思います。実際この症例は、wells scoreも0点、前医で直近に肺炎として治療歴があったことも目くらましになったようです。しかし、繰り返す肺炎様のエピソードと、D-dimer上昇がヒントとなり、診断に至りました。肺塞栓症の陰影はあらゆる画像所見を呈するので、典型例にとらわれず、胸痛の鑑別診断として常に念頭に置くべきだと痛感しました。

他には、
・再喫煙により生じた急性好酸球性肺炎
・塗装工肺が疑われた症例
・IgG4関連疾患と喘息との関係を示唆する症例 がありました。

後半は、大分大学 呼吸器・感染症内科学講座 教授の門田淳一先生による講演会が行われました。テーマは、「高齢者肺炎」。高齢者肺炎といえば、誤嚥性肺炎なわけですが...

・高齢者肺炎の予後因子
・マクロライドの予後改善効果
・介護施設における肺炎球菌ワクチンによる一次予防
・高齢者終末期医療の問題点

についてのお話が聞けました。特に、終末期医療に絡めたお話が聞けたのがよかったです。高齢者医療は倫理的な問題を孕んでおり、数字では線引きできず、議論の尽きないところです。今後、肺炎診療ガイドラインが改訂になる際にもおそらく何かしらの形で言及されることになるでしょうか...。

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