2017.1.14
東海呼吸器感染症研究会に参加。
テーマは「non-resolving pneumonia」
今回我々が発表した症例は、言うならば「non-resolving pulmonary cavity」
pulmonary cavityの鑑別を挙げてみる。頻度順に悪性腫瘍、結核、肺化膿症、血管炎…。
多くの場合、鑑別は簡単だ。
ところが、
感染症と悪性腫瘍の鑑別は難しい、とも言える。
殊に肺の孤立性病変に関しては迷うことはしばしばある。
「癌だと思ったら、感染症だった」、これならむしろありがたい。外科的切除したら真菌症や抗酸菌症だったというのはあり得る話。でも、逆ならちょっとややこしい。
感染症だと思って治療し始めたけど抗菌薬が効かない。起炎菌が掴めてなくて抗菌薬不応の時の鑑別なんて山ほどある。だから内科医はツライ。定着菌やコンタミネーションに振り回された挙句、生検しても診断につながる手掛かりがなくて、でもやっぱりまた生検したら、結果的に癌だった。組織診は偽陰性になり得る。けれども組織診がすべてだ。これがTissue is the issueってやつね、となる。
今、自分たちに出来るベストを尽くしても診断に至らない時に、さらにもう一歩踏み込んだり、違ったアプローチを考えなくちゃならない。冷静な分析と粘り強さ、決断力が必要とされるのだ。臨床家といえど一人では迷いが生じる。だから一から客観的に見直してみんなで知恵を絞るカンファレンスは必要なんだなとも思った。
似たような境遇のcaseがここにも... ↓
「A pulmonary abscess, beware of lung cancer!」 Respiratory Medicine CME 2011;4(4):157-159
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