2017-03-29

第3回 大垣 人工呼吸器シミュレーショントレーニング開催

こんばんは。
3月25日に当院で開催されましたシミュレーショントレーニングの模様をお伝えします。
早いもので、始めてから3年経つのですね。

13時から開始して夕方までに怒涛の9つのシナリオをこなしました。
実際に経験したケースも盛り込んであり(挿管チューブのカフトラブル等)
より実践的かつ教育的な内容になりました。
シナリオの難易度自体は今年が一番難しかったのではないでしょうか?

参加してくれた皆さんのためになれば、と思って開催してますが、
我々開催する側も、ファシリテーターとしてのスキルアップも出来たらと思い頑張ってます。
(ファシリ役はとっても難しいですが…)

参加者&県外から見学に来て下さった方々、お疲れ様でした。
今回の体験をさっそく現場で生かせるとよいですね。

4人一組で、人工呼吸器のアラームに対応します。
左奥には新たにモニターが設置されたことにより、一層緊迫感が増しました。

最後に集合写真。無事終わって安堵の表情。

コントラスト心エコー

コントラスト心エコー(マイクロバブルテスト)を施行しようとして、実際マイクロバブルをどうやって作るの?ってなったので、手順と評価についてまとめたいと思います。覚書程度なので参考までに。

①右正中にルート確保

②マイクロバブル作成
   3方活栓に10mlのシリンジを2つ装着
   1つのシリンジ内に生食7ml、air 1mlを入れ
   もう一方のシリンジには血液(ルートからの逆血)2mlを吸引し交互にpushして撹拌

③左側臥位で4 Chamber viewを描出しながら②を5〜10ml フラッシュ

④評価
    マイクロバブルが右房に確認出来てから、3〜6拍より後に左心に到達するようなら、肺内血管 
のシャントの存在示唆される。(ex; Hepatopulmonary syndrome.  Pulmonary arteriovenous fistula)  (ちなみに、3拍以内であればPFOやASDが考えられる。心内右左シャントの描出には経食道エコーがベター)

※②の配合は調べてもあまり記載されてないですね。施設によってまちまちなのでしょうか。エコーの技師さんに教えて頂きました。血液は入れなくてもいいのですが、入れた方が泡立ちが良くなり泡が残りやすいようです。

2017-03-20

髄膜癌腫症に対する放射線治療の効果

髄膜癌腫症(Leptomeningeal metastasis:LM)は肺癌の5%程度に見られる予後不良の病態です。診断時の予後は数週間から3ヶ月程度とされており、全脳全脊髄照射や髄注化学療法、水頭症解除のためのVPシャントなどの報告がありますがエビデンスの確立された治療法はありませんでした。

我らの肺癌診療のバイブル「肺癌内科 診療マニュアル」には、全脳全脊髄照射に関しては、こう記載されています。

「全脳照射、全脳全脊髄照射の施行を検討する」(初版 2011年)
「頭蓋外病変が制御可能と判断される場合には全脳全脊髄照射も選択肢となる」(新版 2015年) 

と新しい版では、微妙に表現が異なってきております。

実際、全脳全脊髄照射は身体的負担になるため、根治の見込みがないようであれば行わないか、症状コントロールのために全脳照射(WBRT)に留めることもあるようです。

一方、肺癌診療ガイドライにおける記載はどうでしょうか。

2013年度版より、LMに対する放射線照射の項目が記載されるようになり、そこには「全脳照射は前向きのエビデンスはなく有用性は明らかでない」となっており、最新の2016年度版においても引き継がれております。