2016-06-25

2016年アレルギー学会学術大会に参加してきました

2016年6月17日~19日、東京国際フォーラムで開催された第65回日本アレルギー学会学術大会に参加してきました。当科からは1演題のみですが、発表してきました。


当科で発表した演題は、「アドエアディスカスからレルベアへ変更した症例の検討」で、ポスター発表でした。この前後で同様の内容の発表がありました。
 当科の結論から言いますと、変更後1年間でレルベアを何らかの理由で再変更した方は20%、多くがアドエアへ戻していました。理由は喘息コントロールの悪化と、咳嗽の増加が多かったです。喘息コントロールの悪化は、たまたまそのタイミングだったというケースもあります。が、咳嗽が増えるのは感じていて、おそらく粉の量が増えていることと関連している気がします。質問でもあったのですが、嗄声が早く出現する気がする、というのも同様の理由と思います。
 しかし、ACT、PEFに関しては変更の前後で変化がなく、FeNOは低下していました。もともとレルベアの効果はアドエアを上回るものではありませんから、こんなものかなと思います。変更前後の1年間での処方量はレルベアが有意差をもって上回っており、アドヒアランスの向上が裏付けられたと考えています。しかし発作回数では有意差がみられず、これは多くがコントロール良好であったためイベント数自体が少ないことによるものかもしれません。個人的には、vilanterolの気管支拡張効果が、salmeterolよりも少し弱いかもしれない(論文上有意差はついていません)ので、変更後長期に安定して使用できるのかを確認したかったのです。

 さて、この学会、実は最近元気がないと感じています。自分としてもメインの学会と考えてはいますが、なかなか複数の演題を出すことが難しくなっています。膠原病の臓器障害は、レビューが聞けて勉強になりました。当院でも行っているサーモプラスティは、雲行きがちょっと怪しくなっている気もしますが、効果がしっかりあるケースも多く存在するので、今後は適応症例の選択が論点になるでしょうね。

 吸入指導(支援)に関するセッションは、多職種参加型であったこともあり大盛況でした。が、ディスカッションが活発に行われるわけでもなく、なんとなく受動的な印象があります。すそ野が広がりつつあるのは確かですが、今後はその効果について実証していく必要があると感じました。

春は学会が多く、今回は若手が参加できませんでした。来年は演題を作って、彼らに発表してもらえるよう頑張ります!

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