2016-11-04

クライオバイオプシーの勉強をしてきました

10月27日と28日に、イタリア北部のラベンナという街でびまん性肺疾患に対するクライオバイオプシーのセミナーがありましたので、参加してきました。快く?送り出してくれた呼吸器内科のスタッフにはいくら感謝しても足りません。


びまん性肺疾患の病理診断には、VATSなどの外科的肺生検が今のところのGolden standardになっていますが、全身麻酔下に行われる検査ですから、施行できる患者さんは限られるのが現状です。クライオバイオプシーは窒素または炭酸ガスをプローベ内に循環させ、組織を凍結して採取してくる新しい技術です。欧米では腫瘍の生検や気道狭窄の解除に使用され広まっていますが、本邦ではまだ医療器具としての承認がおりておらず、残念ながら一般臨床の現場で使用することができません。

クライオバイオプシーによって得られる組織は、長径5mmほどであり、VATSでえられる検体よりもはるかに小さなものです。しかし、しっかり標本が採取されれば、その病理診断率は約75%と報告されています。問題は合併症で、特に気胸と気管内出血には細心の注意が必要なようです。

今回ビデオも見ることができましたが、技術的にはさほど難しくはないように思えました。問題は合併症の管理にあります。
今後、いずれは国内にも導入されるであろう技術に、その適応と限界も含め学ぶことができた貴重な時間でした。

また、セミナー会場は古い図書館で行われ、大変趣のあるものでした。セミナー終了後には図書館の見学ツアーもありました。開催前日の夜に到着し、開催翌日の早朝に出発する弾丸ツアーだったので観光ゼロでしたが、とても有意義な時間を過ごせました。



0 件のコメント:

コメントを投稿