肺音研究会との出逢いは、かれこれ2年前。長坂行雄先生(現 洛和会音羽病院呼吸器センター所長)の講演を名古屋で聴いた時に初めて知りました。
参加したいと思いつつも月日は流れ、つい1ヶ月ほど前、院内の聴診セミナーを開催することになり、いろいろネットで調べていたところ、なんと10月26日に肺音研究会が開催予定になっているではありませんか!
しかも奈良!ケアリハの翌日に同じ奈良で。なんという偶然!これは参加しないわけにはいかない!ということで若干興奮気味で、マウスをカチカチしながら早速参加を決めました。(よく考えるとケアリハに合わせて皆が参加しやすいように開催日と場所を設定したんですね…。)
ということで、近鉄奈良駅から、歩くこと20分。すがすがしい秋晴れの中、奈良公園で鹿と戯れた後、会場に到着。
午前中は、聴診セミナー。聴診器の歴史から、いわゆるラ音の名称の変遷、各異常音についての解説がありました。
印象に残ったのは、IPFの剖検肺にairを送りfine cracklが発生するところを捉えた動画です。fine crackleは吸気だけではなく、呼気にも聴こえることがある、というのも驚きでした。
また、ウィーズとロンカイ(本来は複数形だが日常臨床では単数形で使用することが多い、ややこしいのでカタカナにしましょう!ということでした)の音の高さの違いはちょっとした議論になっておりまして。
教科書的には、ウィーズは400Hz以上、ロンカイは250Hz以下のようです。
じゃあ、250-400Hzの間はどうすりゃいいの?みたいな、疑問は当然生じるわけで。
(日常臨床でも、これどっちで表現しようかなーみたいなのはよくありますよね。)
結局、厳密に分類するには、スマホにアプリをダウンロードして小型マイクを内蔵した聴診器で音を拾って、どちら寄りかを解釈しなければならないよう.…。わかっているようで、わかっていない。聴診の世界も、奥が深いなーと思いました。
午後には、肺音研究会が開催。教育のための聴診学習ツールをどうするか、みたいなテーマと、異常音を深く掘り下げた発表との大きく分けて2つのテーマがありました。
長坂先生からの発表で、「声音振盪(vocal fremitus)はなぜ『ひとーつ』なのか」。これに対する科学的根拠の裏付けがあったようで、興味深く聴講させていただきました。
これまでにも、声音振盪ややぎ音(egophony)など聴取してみるものの、聴診能力がいまひとつで、よく分からずじまいでしたが、今度また試してみようと思います。これから聴診するのが楽しくなりそうです。
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