4月3日、千葉大学 真菌医学研究センターの亀井克彦先生の講演を聴講させていただく機会があったので少し掘り下げて報告します。
テーマは、「真菌症診療の現状と問題点」。 まさにup-to-date!
...そしてdeepな内容でした。
我々、呼吸器内科医とカビとは切っても切り離せない関係。
慢性呼吸器疾患の合併症としてよく問題となるのがアスペルギルス症です。
しかし、なかなか治らないんですね、これが。
しかも、その症例数が増えているというからさらに頭痛いところです。
で、まずは、診断。ちゃんとできてますか?ということ。
一口にアスペルギルス属といっても、様々な種類がありますが、まず有名なのが
Aspergillus fumigatus。その他に、
Aspergillus flavus、
Aspergillus terreus、
Aspergillus nidulans、
Aspergillus nigar等が知られています。我々が日常臨床で出会う原因菌の大半が
Aspergillus fumigatusですが、最近は、
Aspergillus fumigatusの隠蔽菌というのがhot topicsのようです。隠蔽菌というのは、一見
Aspergillus fumigatusのように見えるけど、実は別の菌、という意味です。
Aspergillus lentulusというようで数%いるようです。厄介なことに、この
Aspergillus lentulusは、多くの抗真菌薬に耐性を有しているようです。しかし、市中病院の細菌室で
Aspergillus lentulusを同定することは難しく専門機関に検体を送らなければ分からないということでした。
しかも、
Aspergillusにおいても複数同時感染や、治療中に菌が入れ替わってしまう可能性もあるということなので、薬剤が無効な時に再度検体を確認する必要がありそうです。